ウェブ解析士が押さえておくべき法律知識(其の壱:景品表示法)

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はじめに

こんにちは。Web解析横浜のlibra(ライブラ)です。
今回は、ウェブ解析士が押さえておくべき法律知識についてざくっとお話ししようと思います。

ウェブ解析士と法律

前回の記事『ウェブ解析士資格取得の過程で学べる知識と異動後も使える知識』でも触れましたが、現在の私のメイン業務は”法務”です。
営業系の部門に配属されていた頃も、自ら企画を立てる立場ではなかったため、法務は縁遠いものと思い、あまり興味を持っていませんでした。
しかし、いざ法務部門に異動になり、法務相談を受ける立場になると、多くの分野で法務が事業を支援していることに気付き、法務が関与しない分野は無いと思うに至りました。
もちろん、ウェブ解析士がコンサルティングの対象とするウェブサービスも同様です。
ウェブサービスの運営に絞った場合でも、例えば、
  1.  自社のウェブサービスを盛り上げるためにキャンペーンを実施して景品を付ける場合には『景品表示法』。
  2. 自社のウェブサービスの告知をするために広告を作成する場合には『著作権法』『不正競争防止法』。
  3. 自社のウェブサービスに入会して貰う際、顧客情報として個人情報の提供を求める場合には『個人情報保護法』。
  4. また、『薬事法』の様に、 医薬品・医療品に関する記事・広告を扱う場合等、特定分野にだけ深く関わる法律。
などが挙げられます。
そこで、ウェブ解析士として、これだけは押さえておこう、と個人的に思う法律について法律の目的や注意点についてお話しします。
今回は、景品付きキャンペーンを実施する際に注意すべき『景品表示法』をピックアップします。

景品表示法について

『景品表示法』[けいひんひょうじほう]は、一般に『景表法』[けいひょうほう]という略称の方が有名です。
『景品表示法』は、正式な法律名を『不当景品類及び不当表示防止法』[ふとうけいひんるいふとうひょうじぼうしほう]と言い、文字通り、不当な景品や広告表示の使用を制限、禁止する法律です。
その目的は、商品の購買やサービスの利用に際して、不当な景品や広告で購買意欲を過剰に刺激することで、一般消費者の正常な消費活動の阻害に繋がる行為を制限し、一般消費者の利益を保護することです。
例えば、商品Aと商品Bがあり、商品Aの方が性能で優れているとします。
しかし、商品Bが性能向上ではなく不当な景品により一般消費者を誘導した場合、景品に刺激された消費者が性能で劣る商品Bを購入した場合、より良い商品があったのに購入できなかった(より良い商品を購入するという判断を阻害された)という不利益を受けますし、より良い商品を作るという競争原理が働かなくなる可能性もあります。
そこで『景品表示法』は、広告を作る際には、《事実と異なる表示》を禁止したり、商品に景品を付ける際には、商品の価格に対して《高額すぎる景品》を禁止したりします。
さて、《事実と異なる表示》は割とイメージしやすいかと思いますが、《高額すぎる景品》の”高額すぎる”とはどの程度を指すのでしょうか。
この点もちゃんと定められています。法律自体には”指針”としか記載されていませんが、消費者庁がその具体例を掲載しています。ざっくり纏めると下記書きのようになります。
景品の種別 景品価格の上限 一般的な事例 説明
一般懸賞(クローズド懸賞)
①商品やサービスの価格が
  5,000円以上 ⇒ 10万円
  5,000円未満 ⇒ 取引価額の20倍
② 景品の総額はキャンペーン実施で見込まれる売上予定総額の2%
商品に付いている応募券を集めて応募すると、抽選で●●名に豪華賞品プレゼント 一般懸賞とは、抽選に応募するために条件が設定されている手法です。一般的に条件とは商品購入やサービスの利用です。これを《付随取引》と言います。食品や飲料品のキャンペーンで多く使われる手法です。
オープン懸賞 無し (テレビの視聴者に対して)クイズの答えを書いて応募すると、抽選で●●名様に豪華海外旅行をプレゼント オープン懸賞は応募に条件が不要な手法で、付随取引が無い場合に利用できます。景品が高額でも購買意欲を過剰に刺激することはないので、景品価格の上限は設けられていません。
総付懸賞
商品やサービスの価格が
 1,000円以上 ⇒ 取引価額の2/10
 1,000円未満 ⇒ 200円
今買うと▲▲が付いてくる/応募者全員プレゼント “総付”とは、抽選という手段を用いずに、商品やサービスの購入者すべてに景品を渡す手法です。抽選に比べると景品の価格は小規模になります。

景品表示法の注意点

自社のウェブサービスに関する広告を作る際には、実際の内容より優れている様に見える表現で他社のウェブサービスに比べて優れているように装う広告(《優良誤認》や《有利誤認》と言います)や、入会金や月額料金等サービスを利用する代金に対して高額すぎる景品は避けなければなりません。
ですので、広告は表示が実際の内容に沿った適切な表現になっていることを確認し、景品は価格が代金に対して適正範囲に収まっていることを計算する必要があります。

おわりに

今回は、『景品表示法』をご紹介しました。
自身のビジネスに関連する法律を適切に理解して、安全なビジネスを続けられるようにしましょう。
他の法律は、また今度ご紹介します。